- 市役所に入ったら出世できるのか、仕組みがわからない
- 昇任試験がどんな内容なのか、いつ受けるのか不安
- 出世せずにマイペースに働く道もあるのか知りたい
市役所の出世やキャリアの仕組みは、外からはとても見えにくいものです。
「市役所 出世」で検索しても、自治体ごとに制度が違うため、断片的な情報しか出てこないことが多いです。
結論、市役所の昇進は昇任試験または人事評価による選考で決まり、出世コースに乗る道も、あえて出世しない道も、どちらも現実的な選択肢です。
この記事では、現役市役所職員の私が、昇任の仕組み・昇任試験の中身・出世コースの部署・出世しない生き方まで、まとめて解説します。
民間から転職を考えている方に向けて、経験者採用(中途入庁)でも出世できるのかも、実感ベースでお伝えします。

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市役所で働きたい人に現役職員としての知識と転職経験を情報発信しています。

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市役所の昇任の仕組み

ここでは、市役所の昇任(昇進)がどのような仕組みで決まるのかを解説します。役職の階級と年齢の目安、法律上の「競争試験」と「選考」の違い、そして試験の中身と対策までを順番に見ていきます。昇任制度は自治体による差がかなり大きいため、この記事では「多くの自治体に共通する傾向」としてお伝えします。志望先の実際の制度は、募集要項や職員採用サイトで確認するのが安心です。
役職の階級と昇進モデル

市役所の役職って、どんな順番で上がっていくんですか?



主事から始まり、主任→係長→課長補佐→課長→部長と上がるのが一般的です。順番に見ていきましょう。
結論、市役所の役職は主事→主任→係長→課長補佐→課長→部長という階段構造になっている自治体が多いです。
理由は、地方公務員の給与や職責が「職務の級」という等級制度で管理されており、役職と級がほぼ対応しているためです。
昇進スピードは、公表資料で見ると係長級が40代半ば前後、課長級が50代前半というのが実態に近いです。
大阪市の公表資料では係長(4級)の平均年齢は47.2歳で、国の行政職俸給表(一)4級も48.2歳でした。
課長級は大阪市53.5歳・国の7級53.0歳と、よく紹介される「52歳前後」の目安は実数とほぼ一致していました。
ただし政令市と小規模市では役職の数も昇進の速さも変わるため、あくまで全体の傾向として見てください。
見聞きする範囲でも、30代で係長になる人はいますが多数派ではなく、定年まで主任で過ごす人もいます。
まずは「役職の階段は共通、上がるスピードは人それぞれ」と押さえておけば大丈夫です。
なお、係長級より上の役職は「管理職」と呼ばれ、労務管理や議会答弁の準備など仕事の質が大きく変わります。
主任までは実務のプロ、係長からはチーム運営、課長からは組織経営、と役割が段階的に切り替わるイメージです。
試験制と選考制の違い



昇進するには、必ず試験を受けないといけないんですか?



法律上は「競争試験」か「選考」の2区分です。選考でも筆記考査を課す自治体があります。
結論、昇任の決め方は「競争試験」か「選考」のどちらかで、法律上はこの2区分です。
理由は、地方公務員法第21条の4が、昇任は競争試験または選考によると定めているためです。
注意したいのは、「選考だからペーパーテストがない」とは限らない点です。
東京都や特別区の管理職選考は制度上は「選考」ですが、択一式・論文式の筆記考査と口頭試問を伴います。
一方でさいたま市は係長級のみ昇任試験、名古屋市は課長補佐級で筆記試験と、団体ごとに形はかなり違います。
両者の違いを表にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 競争試験 | 選考 |
|---|---|---|
| 根拠 | 地方公務員法第21条の4 | 同条(試験によらない方法) |
| 決まり方 | 公開の競争試験の成績 | 勤務評定・口頭試問・筆記考査など |
| 実例 | さいたま市の係長級昇任試験 | 東京都・特別区の管理職選考 |
| 注意点 | 受験するかは本人の意思 | 選考でも筆記考査があり得る |
見聞きする範囲では、多くの市役所は選考のみで、筆記考査を伴うのは東京都や一部の政令市という印象です。
川崎市は競争試験方式から任命権者による選考へ移行中で、制度そのものが動いている点も押さえておきたいところです。
志望先がどちらの方式かで昇進の戦い方が変わるため、入庁前に確認しておくとキャリアのイメージがつかみやすいです。
昇任試験の内容と対策



昇任試験って、具体的にはどんな問題が出るんですか?



択一式・論文・面接の組み合わせが定番です。特に論文と面接が合否を分けやすいです。
結論、昇任試験は択一式(法律)・論文・面接の組み合わせで実施される自治体が多いです。
理由は、係長以上には実務知識だけでなく、課題を整理して解決策を示す力と、チームを束ねる対人能力が求められるためです。
択一式では、地方自治法・地方公務員法などの法律科目が中心になります。
論文は1,000〜2,000字程度で、テーマは試験当日に発表されるのが一般的です(2026年7月時点の一般的傾向)。
「業務改善」「住民サービス向上」「部下育成」など、係長の立場でどう動くかを問うテーマが定番です。
市販の昇任試験対策本(択一・論文とも)が充実しているので、独学でも十分に戦える試験です。
対策としては、通勤時間に法律科目の問題集を回し、論文は過去テーマで型(序論・課題・方策・結論)を作っておくのが王道です。
働きながらの受験になるため、直前の詰め込みより半年前からの積み上げが合格者の共通パターンだと感じます。
試験内容の詳細は自治体ごとに異なるので、庁内の実施要領と先輩の体験談を早めに集めておくと安心です。
面接では「なぜ係長になりたいのか」「困難な部下対応の経験」など、マネジメント志向を確かめる質問が中心になります。
また、試験の成績に日々の人事評価を組み合わせて最終判定する自治体も多く、普段の勤務ぶりも合否に影響します。
市役所の出世コースと年収


ここでは、いわゆる「出世コース」と呼ばれる部署と、出世する人の特徴、役職ごとの年収の目安を解説します。市役所には民間のような明文化されたエリートコースはありませんが、幹部候補が通りやすい部署の傾向は確かに存在します。あわせて、課長・部長まで昇進した場合に年収がどのくらい変わるのかも、現役職員の実感を交えてお伝えします。給与や配属の全体像を知りたい方は、本文中の関連記事もあわせてどうぞ。
王道は企画・財政・人事



出世コースの部署って、結局どこなんですか?



企画・財政・人事の3つが王道と言われます。市役所全体を動かす仕事を経験できる部署です。
結論、出世コースの王道は企画・財政・人事の3部署と言われることが多いです。
理由は、これらの部署が市役所全体の方針・予算・人を動かす中枢で、全庁的な調整力が身につきやすいためです。
実際に、幹部職員の経歴をたどると、この3部署のいずれかを経験している人が多い傾向があります。
総務・秘書・議会事務局なども、幹部との接点が多く評価されやすい部署として挙げられます。
ただし、これらの部署は業務量も多く、「出世コース=忙しい部署」という側面があるのも正直なところです。
部署ごとの忙しさの実態は公務員の楽な部署ランキングの記事で詳しく解説しています。
どんな部署があるのか全体像を知りたい方は市役所の仕事内容と部署一覧の記事が参考になります。
ただし、企画・財政・人事だけが正解ではなく、福祉や税務の現場で実績を積んで幹部になる人も一定数います。
出世する人の特徴



どんな人が出世コースに乗るんですか?



事務処理が正確で、調整がうまく、激務に耐えられる人です。特別な派手さより信頼の積み重ねが効きます。
結論、出世する人に共通するのは事務処理能力・調整力・激務への耐性の3点です。
理由は、課長級以上の仕事が、個人の実務よりも組織運営・予算判断・関係部署や議会への説明が中心になるためです。
具体的には、期限を守る・報連相が正確・トラブル時に逃げない、という基本動作を積み重ねた人が引き上げられていく印象です。
私の周りでも、目立つタイプより「あの人に任せれば大丈夫」と言われる堅実タイプが昇進していくケースが多いです。
若手のうちは出世コースを意識しすぎるより、目の前の仕事で信頼を積むことが結果的に近道になります。
また、庁内公募や研修派遣に自分から手を挙げる姿勢も、人事の目に留まりやすい要素です。
国や県への出向経験が幹部登用のきっかけになるケースも、私の職場では珍しくありません。
課長・部長の年収目安



出世すると、年収はどのくらい上がるんですか?



大阪市の公表資料では、課長のモデル年収は1,082万円です。自治体による差はあります。
結論、市役所の課長級の年収は、公表資料で確認できる範囲では1,000万円前後の例があります。
理由は、管理職になると給料表の級が上がることに加え、管理職手当が支給されるためです。
大阪市の公表資料では、課長(6級)の給与月額は631,409円、年収は1,082万円でした。
この給与月額には、管理職手当84,361円と地域手当87,114円が含まれています。
出典は大阪市「職員のモデル年収額」で、令和7年10月1日現在のデータによる令和8年度の見込額です。
大阪市は政令指定都市で地域手当も高いため、すべての市役所が同じ水準になるわけではありません。
同年代の民間の課長職と比べても、公務員の管理職は退職金や年金を含めた生涯収入で見劣りしにくい水準です。
役職と年齢・年収の目安をまとめると、次のようなイメージです。
| 役職 | 年齢の目安 | 年収の目安(推計) |
|---|---|---|
| 主事・主任 | 20〜40代前半 | 350万〜600万円程度 |
| 係長級 | 40代半ば〜 | 600万〜750万円程度 |
| 課長級 | 50代前半〜 | 800万〜1,100万円程度 |
| 部長級 | 50代後半 | 1,000万円以上の例もある |
この表は自治体の規模や地域手当で大きく動く推計です(2026年9月時点)。
出典のある実数は、次の章で大阪市の公表資料をそのまま紹介します。
一方で、管理職になると残業代が出なくなるため、残業が多い課では手取りが増えにくいという声も聞きます。
どの程度そうなるかは、自治体や部署によって差があります。
また課長級になると、議会や首長への対応が増え、異動の範囲と責任も一段と広がります。
年齢別のリアルな給与水準は市役所職員の年収と手取りを解説した記事で詳しくまとめています。
自治体ごとの水準差は市役所の年収ランキング記事で比較できます。
年収だけでなく、責任の重さや働き方の変化もセットで考えると、自分に合ったキャリアが見えやすくなります。
データで見る出世の現実
ここでは、公表資料の実数から市役所の出世を眺めてみます。役職ごとに職員が何人いるかは、地方公務員法第58条の3にもとづき各自治体が毎年公表しています。その数字を見ると、課長級まで進む人がどのくらいの割合なのかがはっきりわかります。あわせて、年齢と年収の実数、管理職選考の合格率、役職定年の運用まで、出典のあるデータだけを並べて整理します。
管理職は何割いるか



市役所で課長まで行ける人って、どのくらいいるんですか?



公表資料で数えると、課長級以上はおおむね1割です。係長級まで含めると4〜5割になります。
結論、市役所で課長級以上に就いている職員は全体のおよそ1割です。
理由は、上の役職ほどポストの数が限られており、組織がピラミッド型になっているためです。
さいたま市の公表資料では、課長級以上が10.3%、係長級以上が51.1%でした(令和7年4月1日現在)。
所沢市では課長級以上が9.2%、係長級以上が44.1%と、規模が違ってもおおむね同じ水準です。
都道府県は市役所より上位級の比率が高く、鳥取県は課長級以上14.0%・係長級以上64.0%でした。
職制上の段階ごとの割合を並べると、次のようになります。
| 職制上の段階 | 所沢市 | さいたま市 |
|---|---|---|
| 部長級以上 | 1.1% | 1.8% |
| 次長級 | 1.7% | 2.7% |
| 課長級 | 6.4% | 5.9% |
| 課長補佐級 | 3.4% | 12.7% |
| 係長級 | 31.5% | 28.2% |
| 主任級 | 39.3% | 17.2% |
| 主事級 | 16.5% | 31.6% |
出典は所沢市・さいたま市の「等級及び職制上の段階ごとの職員数」で、いずれも令和7年4月1日現在の行政職給料表です。
主任級や課長補佐級の割合が2市で違うのは、等級別基準職務表の作り方が自治体ごとに異なるためです。
何級が課長かも自治体ごとに違い、大阪市は6級、さいたま市は5級、所沢市は7級となっています。
全国の数字では、管理職手当が支給されている職員は一般行政職の15.9%です(総務省・令和7年4月1日現在)。
つまり課長級以上は1割前後、係長級まで含めれば半数近くというのが、実数で見た市役所の姿です。
年齢と年収の実数



係長や課長になるのは、実際には何歳ごろなんですか?



公表資料では係長が47.2歳、課長が53.5歳です。年収も役職で大きく変わります。
結論、係長級になるのは40代半ば前後が実態に近く、課長級は50代前半が中心です。
理由は、上位の級ほどポストが少なく、在級年数の要件も重ねて満たす必要があるためです。
大阪市の公表資料では、係長(4級)の平均年齢が47.2歳、課長(6級)が53.5歳でした。
国の行政職俸給表(一)でも係長級の4級が48.2歳、課長級の7級が53.0歳と、ほぼ同じ水準です。
大阪市が公表しているモデル年収を並べると、次のようになります。
| 役職(級) | 平均年齢 | モデル年収 |
|---|---|---|
| 主務(3級) | 44.7歳 | 約656万円 |
| 係長(4級) | 47.2歳 | 約740万円 |
| 課長代理(5級) | 51.8歳 | 約826万円 |
| 課長(6級) | 53.5歳 | 約1,082万円 |
| 部長(7級) | ― | 約1,261万円 |
| 局長(8級) | ― | 約1,499万円 |
出典は大阪市「職員のモデル年収額」で、令和7年10月1日現在のデータによる令和8年度の見込額です。
部長・局長は特定の号給によるモデル値のため、平均年齢の記載はありません。
注目したいのは、課長代理から課長で+256万円と年収が跳ね上がる点です。
月84,361円の管理職手当が加わるためで、これが「管理職の壁」の実額にあたります。
その壁は選考の通りやすさにも表れ、東京都の管理職選考(種別A)の合格率は7.9%でした(令和5年度)。
同じ年度の主任級職選考は41.0%で、管理職の壁は主任の5倍以上厚い計算になります。
一方、出世の先には役職定年があり、管理職手当が支給される職に就くとその対象になります。
令和6年度に60歳へ達した62,770人のうち、20.0%が管理監督職から降任されました(令和7年4月1日時点)。
同じ調査では60歳まで勤めた職員の40.7%が管理職を経験しており、時間をかけて到達する人も多いことがわかります。
定年そのものも引上げの途中で、令和8年度は62歳、令和13年4月から65歳になります。
年齢も年収も、一次資料で見ると40代後半から大きく動き出すのが市役所のキャリアです。
出世しない生き方もある


ここでは、あえて出世を目指さない働き方について解説します。実は市役所の現場では、昇任試験を受けない・管理職への打診を断るという選択は決して珍しくありません。ワークライフバランスを重視する流れの中で、出世しない生き方は今や普通の選択肢の一つです。一方で、知らないと後悔しやすい注意点もあるため、メリットとあわせて公平にお伝えします。
管理職になりたくない実態



出世したくない公務員って、実際にいるんですか?



かなり多いです。昇任試験を受けない人や、管理職の打診を断る人は、私の職場でも珍しくありません。
結論、「出世したくない」という職員は今や少数派ではありません。
民間のビジネスパーソンを対象にした日本能率協会の2023年調査では、「管理職になりたくない」が77.3%でした。
公務員の世界も例外ではなく、責任の増加に比べて手当の増え方が見合わない、と感じる職員が多いのが実態です。
特別区の昇任選考でも、対象者のうち実際に受験する人は一部にとどまる、という話は庁内でもよく話題になります。
私の職場でも、昇任試験や昇任の打診を「家庭を優先したいので」と断る先輩は普通にいます。
現役の実感として、昇進を断っても職場に居づらくなることはほぼないです。
「出世しない=落ちこぼれ」という時代ではなくなっている、というのが現場の空気感です。
むしろ管理職のなり手不足に悩む自治体が増えており、昇任を打診される側が選べる状況すら生まれています。
出世しないメリット



出世しないと、どんないいことがあるんですか?



残業が抑えやすく、家庭や趣味との両立がしやすくなります。責任の重い調整業務からも距離を置けます。
結論、出世しない最大のメリットはワークライフバランスを守りやすいことです。
理由は、管理職が担う議会対応・クレームの最終責任・部下の労務管理といった重い業務から距離を置けるためです。
具体的には、定時退庁しやすい・異動希望が通りやすい・担当業務の専門性を深めやすい、といった利点があります。
子育てや介護の期間だけ昇任を見送り、落ち着いてから挑戦するという柔軟な選び方をする職員もいます。
公務員は昇進しなくても定期昇給がある自治体が多く、生活設計が立てやすいのも安心材料です。
実際、私の周りでも「主任のまま定時で帰り、副業ならぬ趣味や家庭を充実させる」働き方を選ぶ人は増えています。
窓口や福祉の現場で長く専門性を磨き、後輩から頼られるベテランとして活躍する道も立派なキャリアです。
出世しない場合の注意点



逆に、出世しないデメリットはないんですか?



生涯年収の差と、年下の上司が増えることは覚悟しておきたいポイントです。比較表で整理してみます。
結論、注意すべきは生涯年収の差と職場での立ち位置の変化の2点です。
理由は、昇任しないと給料表の上限付近で昇給が緩やかになり、退職金にも役職の差が反映されるためです。
また、勤続年数が長くなるほど、年下の係長や課長の下で働く場面が自然と増えます。
出世する場合としない場合の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 出世する場合 | 出世しない場合 |
|---|---|---|
| 年収 | 管理職手当で大きく増える | 昇給は緩やかになる |
| 働き方 | 責任と拘束が増えやすい | 定時退庁を維持しやすい |
| 仕事内容 | マネジメント中心 | 実務・専門性を深められる |
| 向く人 | 組織を動かしたい人 | 生活と両立を重視する人 |
大切なのは、どちらが正解かではなく、自分の人生設計に合わせて選べるということです。
もし「そもそも今の環境で働き続けるか迷っている」という方は、民間の選択肢と比較してみるのも一つの方法です。
市役所と民間の両方を知る立場から言うと、外の選択肢を知った上で残る決断をした人ほど、納得感を持って働けています。(参考:公務員は転職しない方がいい?)
経験者採用でも出世できる?


ここでは、民間から経験者採用(中途採用)で市役所に入った場合のキャリアパスを解説します。転職を考える方から「中途入庁だと出世で不利になりませんか」という質問をよく受けますが、結論から言えば道は十分にあります。新卒入庁者との違い、中途で昇進していく人の共通点、そして民間経験がむしろ武器になる場面を、現役職員の実感を交えて紹介します。
中途入庁のキャリアパス



中途で入ると、やっぱり出世は難しいんでしょうか?



不利になる場面はありますが、道は閉ざされていません。前歴加算や在級年数の短縮制度もあります。
結論、経験者採用の入庁者でも係長・課長への昇任は十分に可能です。
理由は、多くの自治体で民間経験が「前歴加算」として給与や在級年数に反映され、昇任要件の年数にも算入される仕組みがあるためです。
一方で、統計的には新卒最年少入庁者のほうが上位役職に就く割合が高い、という調査結果もあり、スタートの差は正直あります。
ただ、経験者採用はそもそも「即戦力の管理職候補」を想定して実施する自治体も増えています(2026年7月時点)。
私の職場でも、40代で中途入庁して数年で係長級に昇任した例があり、体感として門戸は開いています。
昇任試験がある自治体なら、中途入庁者も同じ土俵で受験でき、筆記に強い社会人経験者はむしろ有利な面もあります。
経験者採用の試験内容や倍率は公務員の経験者採用を解説した記事で詳しく紹介しています。
中途で出世する人の特徴



中途入庁から昇進していく人って、何が違うんですか?



民間スキルを役所の文脈に翻訳できる人です。DX・広報・財務の経験は特に重宝されます。
結論、中途で昇進していく人は民間スキルを役所の仕事に翻訳できる人です。
理由は、自治体がいまDX推進・広報戦略・公民連携など、民間経験がそのまま活きる分野で人材を強く求めているためです。
具体的には、IT・広報・経理の経験者が専門部署で成果を出し、早期に主査や係長級へ引き上げられるケースが目立ちます。
IT経験を武器にする転職ルートは民間IT経験者が市役所に転職する方法の記事で詳しく解説しています。
逆に、民間のやり方をそのまま持ち込んで庁内調整を軽視すると、評価されにくい傾向があります。
入庁後の1〜2年で役所の仕事の進め方を吸収し、その後に民間の強みを出すのが、うまくいく人の共通パターンです。
これから経験者採用を目指す方は、まず試験対策の全体像をつかむところから始めるのがおすすめです。
経験者採用の枠は拡大傾向にあり、30代・40代からの挑戦も年々一般的になっています(2026年7月時点)。
経験者採用の試験内容と対策の進め方は、次の記事にまとめています。
\ 中途入庁でも昇進の道はある /
よくある質問


ここでは、市役所の出世・昇任試験についてよく聞かれる質問に、現役職員の立場からお答えします。昇任試験を受けない場合の扱いや、出世コースから外れた後のキャリア、女性の昇進事情、中途入庁からの管理職登用まで、検索だけではわかりにくい疑問を集めました。自治体によって制度差がある点は、その旨も添えて回答しています。
- 昇任試験を受けないとどうなりますか?
-
係長以上には上がらず、主任級までのキャリアになる自治体が多いです。受験は本人の意思に委ねられており、受けないこと自体が低評価につながる職場は少ない印象です。
- 出世コースから外れたら終わりですか?
-
終わりではありません。人事異動は数年ごとに巡ってくるため、異動先での実績から再び中枢部署へ戻る例は珍しくないです。一度の配属で人生は決まりません。
- 昇任試験は何歳から受けられますか?
-
経験年数の要件を設ける自治体が多いです。東京都の主任級職選考はⅠ類B採用で在職3年以上・40歳未満、川崎市の係長昇任選考は市の在職5年以上、名古屋市の昇任試験は第1類採用の6年目からです(2026年9月時点・自治体差あり)。
- 女性でも市役所で出世できますか?
-
できます。多くの自治体が女性管理職比率の向上を掲げており、登用は年々進んでいる傾向があります。育児期に昇任を一時見送り、その後に管理職へ進む先輩も私の職場にいます。
- 中途入庁でも課長になれますか?
-
なれます。前歴加算で昇任要件の年数が短縮される自治体が多く、民間経験を武器に管理職へ進む例は増えています。即戦力の課長級を外部公募する自治体もあります(2026年7月時点)。
まとめ|出世は選ぶ時代


市役所の出世は、昇任試験や人事評価という明確な仕組みの上に成り立っており、キャリアの選択肢は思っている以上に広いです。出世コースを駆け上がる道も、専門性を深めながらマイペースに働く道も、どちらも尊重される時代になりました。民間から転職してくる方にとっても、キャリアを自分で設計できるのは大きな安心材料です。最後に、この記事の要点を整理します。
- 役職は主事→主任→係長→課長補佐→課長→部長が一般的
- 昇任は法律上「競争試験」か「選考」(選考でも筆記考査あり)
- 出世コースの王道は企画・財政・人事の3部署
- 課長級以上は職員の1割前後・出世しない選択も普通
- 経験者採用(中途)でも係長・課長への道は開かれている
結論、市役所のキャリアは「出世する・しないを自分で選べる」ことこそが最大の魅力です。
民間のように出世レースから降りると居場所がなくなる、という空気は市役所にはほとんどありません。
だからこそ、入庁前に昇任の仕組みを知っておくことが、後悔しない自治体選びと働き方選びにつながります。
これから市役所を目指す方は、まず経験者採用や一般試験の対策から一歩を踏み出してみてください。
出世と年収の関係まで含めて考えたい方は、市役所職員の年収も確認してみてください。
\ 昇任で年収はどう変わる? /
入庁後の生活がイメージできる市役所職員の年収記事や経験者採用の解説記事もあわせて読んでみてください。











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