- 40代・50代の公務員でも民間に移れるのか
- 途中で辞めると退職金や年金がいくら減るのか
- 家族の反対をどう説得すればいいのか
公務員の40代の転職は、年齢だけを理由に最初からあきらめてしまう人がとても多いテーマです。
この記事が扱うのは公務員 → 民間という方向で、読者として想定しているのは現役の公務員の方になります。
逆に民間から公務員を目指す方は、30代から公務員へ転職する方法をご覧ください。
あわせて公務員試験を受けられる年齢の目安も押さえておくと、進路の選択肢を整理しやすくなるはずです。
結論、40代の求人は絞られる一方で、転職後に賃金が増えた人の方が減った人より多いという国の統計があります(2026年7月時点)。
ここでは現役の市役所職員である私が、内閣人事局・厚生労働省・日本年金機構の一次資料をもとに数字で整理しました。
退職手当の支給率や年金の切り替えなど、感情論で語られがちな部分を金額で確認していきましょう。

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市役所で働きたい人に現役職員としての知識と転職経験を情報発信しています。

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公務員40代の転職の現実

ここでは40代・50代の公務員が民間へ移るときの現実を、国の統計と公務員制度の両面から確認していきましょう。
実際に転職できている人の割合、50代の転職はどこまで可能か、企業が年齢よりも重く見ている点の3つが柱になります。
年代別の現実度を並べた比較表も用意しましたので、自分が今どの位置にいるのかを照らし合わせてみてください。
40代で転職できる割合

40代で転職している人なんて、実際にはほとんどいないのではないでしょうか。



割合は下がりますがゼロではないので、まずは国の調査にある年代別の実数を見てみましょう。
結論、40代の転職割合は20代のおよそ半分以下まで下がるものの、動いている人は一定数います。
理由は、厚生労働省の「雇用動向調査」が年齢階級別の転職入職率を毎年公表しているからです。
令和6年(2024年)の調査では、男性の転職入職率は40〜44歳が6.8%、45〜49歳が6.0%でした(2026年7月時点)。
女性は同じ年代で10.2%と10.7%あり、40代後半でも1割前後が新しい職場に移っています。
一方で25〜29歳は男性15.1%・女性16.8%ですから、40代は若手のおよそ半分以下の水準だと分かります。
ここで注目したいのが、転職したあとに賃金がどう動いたかという数字。
同じ調査で40〜44歳は賃金が「増加」した人が45.9%、「減少」した人が29.0%となっていました。
45〜49歳では増加46.4%・減少23.8%と、増えた人の方がさらに多い結果です。
40代の転職はすなわち年収ダウン、という思い込みは統計の上では必ずしも当てはまりません。
割合は下がるものの、動いた人の半分近くが賃金を増やしている——これが40代の現実だといえるでしょう。
50代の転職はどこまで可能



50代になると、さすがにもう転職は難しいですよね。



数字は厳しめですが、定年が延びた分あと何年勤めるといくら増えるのかも一緒に比べる価値があります。
結論、50代の転職は40代よりさらに狭き門で、勤め続けた場合の金額と比べてから決めるべき年代です。
理由は、賃金が上がる転職の割合が50代の後半で逆転してしまうからです。
令和6年の雇用動向調査では、50〜54歳は賃金増加39.0%・減少28.2%と、まだ増加が上回っていました。
ところが55〜59歳では増加27.4%・減少36.6%となり、下がる人の方が多くなります(2026年7月時点)。
転職入職率そのものも、男性は50〜54歳で5.1%、55〜59歳で5.4%まで落ち込んでいる状況。
同時に押さえておきたいのが、公務員側の制度が50代で大きく変わっている点です。
人事院と内閣人事局の資料によれば、定年は令和5年度から2年に1歳ずつ引き上げられ、令和13年度に65歳となります。
この引上げが完了するまでの経過措置として、暫定的な再任用の仕組みも並行して残されています。
あと何年働けるのかを考えるときは、再任用という道が残っている点も一緒に頭へ入れておきましょう。
その一方で、60歳に達した管理監督職は非管理監督職ポストへ降任する役職定年が適用されます。
さらに61歳に達する年度から俸給月額は7割水準となり、地域手当や期末・勤勉手当も同じく7割になります(2026年7月時点)。
ただし住居手当・扶養手当・通勤手当は、7割措置の対象外として扱われています。
見落とされがちですが、60歳以後に定年前で退職した場合も退職手当は「定年退職」として算定される特例があります。
ここまでの役職定年・61歳以後の7割水準・60歳以後の定年前退職の特例は、いずれも国家公務員の制度です。
市役所などの地方公務員は各自治体の条例で定めるため、細部は必ず勤務先の条例で確認してください(2026年7月時点)。
つまり50代の転職は、あと数年勤めて退職手当を取り切る道と天秤にかけて決めることになります。
年齢より見られる点



面接ではやはり、年齢が一番のハンデになるのでしょうか。



年齢は入口の条件にすぎず、実際に見られているのは入社後すぐ数字を動かせるかどうかです。
結論、40代以降で企業が見ているのは即戦力性・利益意識・年下の上司への適応という3点です。
理由は、40代を採用する枠が「育てるポスト」ではなく「すぐ回してほしいポスト」だからにほかなりません。
即戦力性とは、研修なしで来月から任せられる業務範囲がどれだけあるかということ。
公務員でいえば契約事務・予算要求・例規審査など、手続きを最後まで一人で回した経験が該当します。
利益意識は、その仕事がいくら稼ぎ、いくらコストを使ったのかを自分の言葉で語れるかどうかです。
予算要求で査定を通した、委託料を見直して費用を下げた、といった話ができると評価が変わってきます。
3つめの年下の上司への適応は、面接で最も警戒されやすい部分。
係長や課長補佐を長く務めた人ほど、指示を受ける側に戻れるのかを疑われる傾向があります。
前職の肩書を持ち出さず、教わる姿勢を具体的なエピソードで示せると安心してもらえるでしょう。
年齢そのものは入口の条件にすぎず、この3点をどう語れるかで結果が分かれます。
| 年代 | 転職入職率(男/女) | 賃金が増えた人/減った人 | 成功のカギ |
|---|---|---|---|
| 40代前半 | 6.8%/10.2% | 45.9%/29.0% | 一人で回した実務の範囲を数字で示す |
| 40代後半 | 6.0%/10.7% | 46.4%/23.8% | マネジメント経験と年下の上司への適応 |
| 50代前半 | 5.1%/8.2% | 39.0%/28.2% | 専門領域を1つに絞った一点突破 |
| 50代後半 | 5.4%/7.6% | 27.4%/36.6% | 収入減を前提に働き方の質で選ぶ |
出典は厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」で、いずれも令和6年(2024年)の数値です(2026年7月時点)。
辞めたい気持ちが本物なのか一時的な疲れなのかを切り分けたい方は、離職率のデータもあわせて確認してみてください。
年収と退職金はどう動く


ここでは40代・50代で転職したときに、お金がどう動くのかを可処分所得と退職手当の両面から整理します。
手当が消える影響、途中で辞めたときの退職手当の差、そして年金の切り替えという3つの論点を順に扱いました。
いずれも内閣人事局・厚生労働省・日本年金機構が公表している一次資料で確認できた数字だけを載せています。
40代の年収ダウン相場



年収が下がるとよく聞きますが、どこがどれだけ減るのでしょうか。



基本給よりも手当がまるごと消える影響の方が大きいので、手取りで比べるのがコツになります。
結論、年収の比較は額面ではなく、手当が消えたあとの手取りで行うべきです。
理由は、公務員の年収に占める手当の比率が高く、転職先に同じ名前の手当が存在しないことも多いからです。
たとえば扶養手当・地域手当・住居手当は、民間企業では制度そのものがない会社も珍しくありません。
これらは基本給とは別枠で毎月上乗せされているため、転職と同時にまるごと消える可能性があります。
一方で、よく心配される共済掛金から社会保険料への切り替えは、思ったほど影響しません。
厚生年金の保険料率は平成29年9月以降18.3%で固定されており、労使で半分ずつ負担する仕組みです(2026年7月時点)。
被用者年金の一元化により、公務員も民間の会社員も同じ厚生年金に加入しているためです。
つまり共済から社会保険に変わって手取りが激減する、という不安は保険料率の面では当たりません。
むしろ可処分所得に効いてくるのは、賞与が業績連動へ変わることでしょう。
公務員の期末・勤勉手当は条例で支給月数が定まりますが、民間では会社の業績次第で上下します。
年収を比べるときは、額面ではなく「毎月の手取り+最低限見込める賞与」で並べてみてください。
市役所側の実額を先に押さえたい方は、市役所の年収と手取りの内訳に月給と手当をまとめています。
途中退職と退職金の差



途中で辞めると、退職金はどれくらい減ってしまうのでしょうか。



支給率が公表されているので計算でき、勤続年数によって差の幅がかなり変わりますよ。
結論、自己都合退職と定年退職では、同じ勤続年数でも支給率でおよそ5〜8か月分の差がつきます(2026年7月時点)。
理由は、内閣人事局が公表する「国家公務員退職手当支給率早見表」で、退職事由ごとに支給率が分かれているからです。
具体的には、勤続20年の自己都合が19.6695月分、定年等が24.586875月分となっています(2026年7月時点)。
勤続35年まで伸びると、自己都合39.7575月分に対して定年等は上限の47.709月分です。
退職手当の基本額は、この支給率に退職日の俸給月額を掛けて算出する仕組みになっています。
仮に俸給月額を40万円として試算すると、勤続20年で約197万円、勤続35年で約318万円の差。
これに加えて、在職中の役職に応じた調整額が別枠で加算されます。
調整額は職員の区分ごとに定めた調整月額のうち、高いものから60月分を合計した額と法律で定められています(2026年7月時点)。
ここで注意していただきたいのが、市役所などの地方公務員に国と同じ表が使われるとはかぎらない点。
支給率も調整額も各自治体の退職手当条例で定めるため、必ず勤務先の条例で確認してください。
相場感からつかみたい方は、公務員の退職金の相場もあわせてご覧ください。
この差額を損と見るか、早く動くための費用と見るかは、残りの勤務年数によって変わってきます。
| 勤続年数 | 自己都合の支給率 | 定年等の支給率 | 差 | 俸給月額40万円での差額(試算) |
|---|---|---|---|---|
| 20年 | 19.6695月分 | 24.586875月分 | 4.917375月分 | 約197万円 |
| 25年 | 28.0395月分 | 33.27075月分 | 5.23125月分 | 約209万円 |
| 30年 | 34.7355月分 | 40.80375月分 | 6.06825月分 | 約243万円 |
| 35年 | 39.7575月分 | 47.709月分(上限) | 7.9515月分 | 約318万円 |
出典は内閣人事局「国家公務員退職手当支給率早見表(平成30年1月1日以降の退職)」です(2026年7月時点)。
差額欄は支給率に俸給月額40万円を掛けた試算で、調整額は含みません(2026年7月時点)。
年金の切替で変わる額



公務員をやめると年金が大きく減ると聞いて、それが一番の不安です。



共済年金はすでに厚生年金へ統合されているので、加入記録はそのまま切れ目なくつながります。
結論、転職で年金が途切れたり、加入期間が失われたりすることは制度上ありません。
理由は、平成27年(2015年)10月1日に被用者年金一元化法が施行され、共済年金が厚生年金へ統一されたからです。
日本年金機構の説明でも、厚生年金と共済年金に分かれていた被用者の年金制度が厚生年金に統一されたと明記されています。
公務員時代の加入期間はそのまま厚生年金の記録として引き継がれ、民間に移っても続きが積み上がる仕組み。
転職すると年金で大損するという話は、一元化前の職域加算のイメージが残ったものだと考えられます。
その職域部分(3階部分)は一元化で廃止され、代わりに年金払い退職給付が創設されました。
年金払い退職給付は公的年金とは別の制度で、公務員として在職した期間に応じて積み上がっていきます。
民間へ移ると新しい積み上げは止まるものの、それまでの分が消えるわけではありません。
もう1つ知っておきたいのが、働きながら年金を受け取るときの在職老齢年金という仕組みです。
日本年金機構によると、令和8年4月から支給停止調整額が51万円から65万円へ引き上げられました(2026年7月時点)。
基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下であれば、老齢厚生年金は全額が支給されます。
65歳以降も働く前提で考えるなら、この基準額の緩和は追い風になるでしょう。
年金を理由に転職をあきらめる必要は、少なくとも制度の上では見当たりません。
公務員経験の棚卸し方


ここでは公務員としての経験を、民間の採用担当者に伝わる言葉へ翻訳する方法を扱います。
評価されやすい経験と、残念ながら評価されにくい経験を、どちらも正直に切り分けて整理しました。
そのうえで職務経歴書にどう書き換えるかを、業務ごとの変換対応表にまとめています。
棚卸しは辞めると決める前でもできる作業ですから、まずは手を動かしてみてください。
民間で評価される経験



役所の仕事なんて、民間では何の役にも立たない気がしています。



予算・契約・折衝といった経験は、そのまま民間の仕事へ置き換えられるものばかりです。
結論、予算・契約・法令解釈・利害調整の4分野は、民間でも評価されやすい領域です。
理由は、この4つがどの業界にも存在し、しかも社内で担える人が慢性的に足りていないから。
予算要求の経験は、事業計画の立案と社内稟議を通す力に置き換わります。
契約事務や入札の経験は、購買・調達や委託先管理の実務そのもの。
例規審査や要綱づくりは、コンプライアンスや社内規程の整備で重宝されるでしょう。
住民説明会や議会答弁の準備は、対外折衝と資料作成のスキルとして通用します。
加えて、公共営業や指定管理者制度に関わる企業では、自治体の意思決定プロセスを知っていること自体が武器です。
外郭団体や指定管理者への出向経験があるなら、その説明を職務経歴書の冒頭へ置く価値があります。
役所の仕事は特殊だからと切り捨てる前に、誰が読んでも分かる言葉へ置き換えてみてください。
評価されにくい経験



逆に、書いても意味がない経験もあるということでしょうか。



異動の多さや前例踏襲は、伝え方を間違えると弱点として読まれてしまう代表格でしょう。
結論、異動の多さ・前例踏襲の進め方・数字責任の不在という3つは、そのまま書くと評価を下げます。
理由は、採用側が「結局この人は何の専門家なのか分からない」と受け取ってしまうからです。
2〜3年ごとの異動を時系列で並べると、器用貧乏という印象だけが残ってしまいます。
対策としては、部署名ではなく機能で束ね直すのが有効。
「税・国保・介護で通算8年、公金の賦課徴収に従事」のようにまとめると、専門性として読んでもらえます。
前例踏襲についても、そのまま書けば主体性がないと判断されかねません。
前例を調べたうえでどこを変えたのかを1行添えるだけで、読まれ方が変わってきます。
いちばん難しいのが、売上や利益といった数字責任を負った経験がないという点。
ここは無理に作らず、処理件数・削減した時間・見直した委託料など、自分が動かした数字で代替してください。
弱点を隠すより、認めたうえで代わりの数字を出す方が信頼されます。
職務経歴書への翻訳



具体的にどう書き換えればいいのか、イメージがわきません。



対応表を用意したので、役所の名称を消して動かした数字を必ず添えてみてください。
結論、職務経歴書は役所の名称を消し、動かした対象と数字で書き直すのが基本です。
理由は、採用担当者が自治体の組織や制度をほとんど知らないからにほかなりません。
たとえば「例規審査」と書いても伝わりませんが、「社内規程150件の法令適合チェック」なら伝わります。
手順は3つ。
まず担当した業務を機能で分類し、次に規模を表す数字を探し、最後に相手を民間の職種名へ置き換えます。
数字は住民数・処理件数・予算額・担当人数など、公表資料から拾えるもので構いません。
下の対応表に、公務員の代表的な業務を職務経歴書の表現へ翻訳した例を並べました。
評価されやすい書き方と、避けたい書き方を併記していますので、手元の経歴と照らしてみてください。
翻訳という作業は在職中にこそ進めやすく、辞める判断そのものを冷静にしてくれます。
| 公務員としての業務 | 職務経歴書での書き方 | 評価のされ方 |
|---|---|---|
| 議会答弁の作成 | 経営層向け想定問答の作成とリスク論点の事前整理 | 評価されやすい |
| 例規審査 | 社内規程の法令適合チェックと改正案の起案 | 評価されやすい |
| 予算要求 | 年間予算の立案と査定折衝・稟議の通過 | 評価されやすい |
| 監査対応 | 内部統制対応と証憑整備・指摘事項の改善 | 評価されやすい |
| 住民説明会 | 利害の異なる関係者への合意形成と説明資料の作成 | 評価されやすい |
| 係長として8名を統括 | 8名規模のチームマネジメントと業務分担の設計 | 評価されやすい |
| 2〜3年ごとの異動 | 機能で束ねて「◯◯分野で通算◯年」と表現し直す | そのままだと評価されにくい |
| 前例踏襲での運用 | 前例を検証し、変更した点を1行だけ添える | そのままだと評価されにくい |
そもそも公務員の働き方が自分に合っているのかを見直したい方は、公務員に向いている人の特徴も参考になります。
棚卸しが終わったら、どの業界なら経験が生きるのかを具体的に見ておきましょう。
家族の説得と辞めない道


ここでは転職サービスの記事ではあまり触れられない、家族の説得と辞めない選択肢を扱います。
配偶者が反対する理由の正体、住宅ローンと教育費の実務、そして異動希望という第3の道の3本立てです。
転職ありきで話を進めないのは、辞めない方が金額として得になるケースも実際にあるからにほかなりません。
3つの選択肢を並べた比較表も用意したので、家族と一緒に見ながら話し合ってみてください。
配偶者が反対する理由



妻に相談したら、話も聞かずに反対されてしまいました。



反対の中身はたいてい不安なので、数字の表を1枚用意するだけで話し合いの温度が変わります。
結論、配偶者の反対は転職そのものへの反対ではなく、収入の見通しが分からないことへの不安である場合が多いです。
理由は、公務員の安定という価値を最も実感しているのが、家計を一緒に見ている側だからです。
反対の言葉を分解すると、「いくら下がるのか」「いつまで下がるのか」「だめなら戻れるのか」の3点に集約されます。
だからこそ、感情ではなく数字で答えるのが近道。
おすすめは、現在・転職1年目・転職3年目の3列で家計を並べた表を1枚つくる方法です。
行には手取り月収、賞与、住居費、教育費、貯蓄額を並べていきます。
手当が消える分はマイナスとして正直に書き、貯蓄の取り崩し額まで示してください。
数字が悪いと見せづらいものですが、隠したまま進める方が後の不信につながります。
そのうえで「この水準を◯年で戻す」という回復ラインを示すと、話し合いが前に進みやすくなるでしょう。
切り出す順番に迷う方は、公務員の退職の伝え方の記事も参考にしてください。
住宅ローンと教育費



住宅ローンを組んでいると、そもそも転職はできないのでしょうか。



すでに借りているローンとこれから借りるローンは話がまったく別なので、分けて考えましょう。
結論、返済中の住宅ローンは転職で契約内容が変わるわけではなく、影響が出るのは新規と借り換えです。
理由は、金融機関が勤続年数や年収を審査するのは、あくまで新しく貸すかどうかを判断する場面だからです。
すでに実行済みのローンは、返済が続くかぎり金利や期間が転職を理由に変わる性質のものではありません。
ただし共済組合の住宅貸付を利用している場合は、扱いが異なる点に注意が必要。
組合員でなくなると継続できない貸付もあるため、退職前に共済組合の窓口で条件を確認しておいてください。
一方、これから家を買う予定や借り換えを考えている場合は、勤続年数がリセットされる影響を受けます。
転職直後は審査で不利になりやすいため、住宅の予定がある方は順番を入れ替える判断も現実的でしょう。
教育費については、金額そのものより支出のピークが何年後に来るのかを押さえるのが大切です。
子どもの進学時期と年収が落ち込む時期が重なると、家計の負担が一気に大きくなります。
逆にピークまで数年の余裕があるなら、その期間を収入を戻すための時間として使えます。
ローンと教育費は、転職の可否ではなくタイミングを決める材料として扱うのが現実的な考え方です。
辞めずに変える選択肢



転職以外に、今の状況を変える方法なんてあるのでしょうか。



異動希望や自己申告書は思っているより効くので、使い方のコツを順に見ていきましょう。
結論、辞める前に試せる手段として異動希望・自己申告書・派遣研修・出向の4つがあります。
理由は、公務員のつらさの多くが職種そのものではなく、配属先の業務量や人間関係に起因しているからです。
部署が変われば働き方が大きく変わるのは、役所という組織の特徴でもあります。
自己申告書は形骸化していると言われがちですが、書き方によって扱いが変わってきます。
人事が見ているのは希望部署の名前よりも、理由の具体性と一貫性。
「忙しいから」ではなく「税務で培った債権管理を◯◯課で生かしたい」と書くと、検討の俎上に載りやすくなります。
同じ希望を2年続けて出すことも、本気度を示す手段として有効です。
派遣研修や国・県への出向は、外の職場を経験しながら籍を残せる仕組み。
民間企業への派遣制度を持つ自治体もあり、転職せずに民間の働き方を知る機会になります。
どの部署が比較的落ち着いているのかを知りたい方は、市役所の楽な部署ランキングで傾向を確認できます。
辞めるという選択肢を持ったうえで、辞めない道も並べて比べる——これが40代の賢い進め方でしょう。
| 選択肢 | 収入への影響 | 主なリスク | 実現までの期間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 転職する | 40代は賃金が増えた人が45〜46%、減った人が23〜29% | 退職手当の支給率が下がる/元には戻れない | 3〜12か月 | 職種そのものを変えたい人 |
| 異動希望を出す | 給与は変わらない | 希望が通らない可能性がある | 1〜2年(人事異動の時期に左右される) | 業務量や人間関係が主な原因の人 |
| 現状を維持する | 勤続35年の定年等なら支給率は上限の47.709月分 | 不満が長期化しやすい | ー | 家計に余裕がなく子どもの進学が近い人 |
賃金の増減は厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」、支給率は内閣人事局の早見表によります(2026年7月時点)。
よくある質問|40代の転職


ここでは40代・50代の公務員から実際によく寄せられる疑問を、5つに絞って整理しました。
回答はすべて、厚生労働省・内閣人事局・日本年金機構の公表資料で確認できた数字にもとづいています。
5つに絞ったのは、40代・50代の方が最初につまずきやすい論点だけを残したかったからです。
自分のケースに近い項目から読んでいただいても、話の筋がつながるように整理しました。
- 40代の公務員が転職するのは無理ですか?
-
無理ではありませんが、20代と比べると狭き門になります。
令和6年の雇用動向調査では、男性の転職入職率は40〜44歳が6.8%、45〜49歳が6.0%でした(2026年7月時点)。
同じ調査で40代は賃金が増えた人の方が減った人より多く、動いた人の結果は決して悪くありません。
- 40代で転職すると年収はどれくらい下がりますか?
-
一律の相場はなく、手当がいくら消えるかで決まります。
扶養手当・地域手当・住居手当は転職先にない場合が多く、額面より手取りの差が大きくなりがちです。
なお厚生年金の保険料率は18.3%で公務員も会社員も共通のため、社会保険料の面での目減りは起きません(2026年7月時点)。
- 50代でも転職先はありますか?
-
50代でも転職先はありますが、50代の後半で潮目が変わります。
令和6年の雇用動向調査では、55〜59歳は賃金が増加した人27.4%に対し、減少した人が36.6%でした(2026年7月時点)。
定年が65歳へ段階的に引き上げられている点も含め、勤め続けた場合と比べたうえで判断してください。
- 途中で辞めると退職金はどれくらい減りますか?
-
勤続年数によりますが、支給率でおよそ5〜8か月分の差がつきます。
国の早見表では勤続20年が自己都合19.6695月分・定年等24.586875月分、勤続35年が39.7575月分・47.709月分です(2026年7月時点)。
地方公務員は各自治体の退職手当条例で定めるため、勤務先の条例で必ず確認してください。
- 家族に反対されたらどうすればいいですか?
-
数字の表を1枚つくって、不安の中身を具体化するのがおすすめです。
現在・転職1年目・転職3年目の手取りと貯蓄を並べ、下がる分も隠さずに書き出します。
そのうえで異動希望という選択肢も一緒に並べると、話し合いが感情論になりにくくなります。
まとめ|40代50代の判断軸


ここまで、公務員の40代・50代が民間へ転職するときの現実を、公表資料の数字で確認してきました。
結論、判断の軸になるのは年齢そのものではなく、統計上の潮目と退職手当の支給率、そして家族の家計です。
40代のうちは賃金が増えた人の方が多く、50代の転職では後半になるほど増減が逆転するというのが国の調査から読み取れる傾向。
退職手当は自己都合と定年等で支給率が公表されているため、自分の勤続年数で差額を計算できます。
年金は一元化によって厚生年金へ統一されており、民間へ移っても記録が途切れることはありません。
そして辞めない選択肢まで並べたうえでの決断なら、家族にも説明しやすくなるでしょう。
- 40代の転職入職率は男性6.0〜6.8%だが、賃金は増えた人の方が多い
- 50代後半は賃金が下がる人の方が多く、定年引上げとの比較が欠かせない
- 退職手当は自己都合と定年等で支給率がおよそ5〜8か月分違う
- 共済年金は厚生年金へ統一済みで、転職しても年金は途切れない
- 転職・異動希望・現状維持の3択を並べてから決める
そもそも市役所からは転職できないと感じている方は、市役所から転職できない理由で原因を切り分けられます。
辞めると決めたあとの進め方については、退職の伝え方と引き継ぎの手順にまとめました。
経験が生きる業界を具体的に知りたい方は、次の記事で5つの転職先を確認してみてください。











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