公務員に失業保険はない?退職後のお金を解説

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公務員に失業保険はない?退職後のお金を解説(公務員 失業保険)
こんな悩みはありませんか?
  • 失業保険が出ないと聞いた
  • 辞めた後の生活費が不安
  • 代わりの制度がわからない

結論、公務員に失業保険はありませんが、代わりに「失業者の退職手当」という制度が用意されています。

辞めたあとの収入が途切れると聞くと、退職そのものをためらってしまうものです。

ここでは現役の市役所職員の私が、失業保険(失業手当)が出ない法的な理由から順に解説します。

代わりの制度でいくらもらえるのか、どこでどう手続きするのかまで、退職後のお金を通しで整理しました。

根拠は雇用保険法と国家公務員退職手当法の条文で確認し、条番号と時点をすべて明記しています(2026年8月時点)。

まずは「なぜ公務員だけ対象外なのか」という出発点から、一緒に確かめていきましょう。

こんな私が書いています
  • 現役の市役所職員
  • 10年超の試験動向を把握
  • 民間からの転職経験あり
  • 予備校の受講経験あり
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市役所で働きたい人に現役職員としての知識と転職経験を情報発信しています。

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目次

公務員に失業保険はない

公務員に失業保険はない(公務員 失業保険)

公務員が失業保険をもらえないのは、雇用が安定しているからという感覚的な理由ではありません。

実際には、雇用保険法という法律のなかにはっきりと書かれたルールが根拠になっています。

ここでは条番号まで示しながら、なぜ対象外になるのかを正確に確かめていきます。

国と地方で仕組みが違うという、あまり知られていない部分もあわせて整理しました。

根拠は雇用保険法6条

公務員が失業保険をもらえないのは、何に書いてあるルールなんですか?

ナビさん

雇用保険法の第6条に、適用しない人として書かれています。

結論、公務員が失業保険の対象外になる根拠は雇用保険法第6条第6号です。

この条文は、そもそも雇用保険を適用しない人の一覧を定めた規定にあたります。

第6号は「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者」を対象としています。

そのうち「離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容」が問題になります。

その内容が「求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者」は、雇用保険が適用されません(2026年8月時点)。

つまり法律は、公務員を冷遇するために外しているわけではありません。

「失業保険より手厚い制度がすでにあるから、二重には要らない」という整理で外している構造です。

だからこそ、公務員には失業保険の代わりになる別のお金が用意されています。

なお条文の末尾には「厚生労働省令で定めるもの」とあり、具体的な線引きは省令へ委ねられています。

この省令こそが、次に見る雇用保険法施行規則第4条です。

国と地方で仕組みが違う

国家公務員も地方公務員も、扱いはまったく同じなのでしょうか?

ナビさん

結果は似ていますが、外れ方の仕組みは国と地方でまったく違います。

結論、国家公務員は規則で当然に適用除外ですが、都道府県と市町村は承認方式です。

理由は、雇用保険法施行規則第4条が号ごとに異なる書き方をしているからです。

第1号は、国および行政執行法人の事業に雇用される者をそのまま適用除外と定めています。

ここには申請も承認も出てこないため、国家公務員は入口の時点で対象外という扱いです。

ただし第1号には括弧書きがあり、常時勤務を要しない国家公務員で職員とみなされない人は除かれます。

そのため国の非常勤職員のなかにも、雇用保険に加入する人が残る仕組みになっています。

一方の第2号は都道府県等、第3号は市町村等について定めた規定になります。

第2号は「当該都道府県等の長が法を適用しないことについて、厚生労働大臣に申請し、その承認を受けたもの」と定めます。

第3号は市町村等の長が都道府県労働局長に申請し、厚生労働大臣の定める基準で承認を受けたものとしています。

つまり知事や市町村長が申請し、承認を受けてはじめて雇用保険が外れる建てつけです(2026年8月時点)。

区分外れ方根拠
国家公務員規則により当然に適用除外施行規則4条1号
都道府県の職員知事が厚生労働大臣へ申請し承認施行規則4条2号
市町村の職員市町村長が都道府県労働局長へ申請施行規則4条3号
共通の上位根拠諸給与が求職者給付を超える者雇用保険法6条6号

多くの解説記事は「公務員は一律で雇用保険の対象外」とだけ書いて終わっています。

ただ条文を読むと、地方公務員については長の申請と承認という一手間が挟まっています。

この違いを知っておくと、後で出てくる「地方は条例で確認」という注意書きの意味がつかめます。

例外的に加入する職員

例外的に加入する職員(公務員 失業保険)

役所で働いていても、失業保険に入っている人はいるんですか?

ナビさん

います、給与明細の控除欄を見るのがいちばん確実です。

結論、役所で働く人のなかにも雇用保険に加入している職員は存在します。

理由は、適用除外の範囲が国でも地方でも職員全員には及んでいないからです。

国の非常勤職員は、先に見た施行規則第4条第1号の括弧書きによって除外の外に置かれます。

地方の会計年度任用職員や臨時的任用職員、任期付職員などは、承認の枠から外れている場合があります。

その場合は民間企業の社員と同じように雇用保険に加入し、退職後は失業保険を受け取れます。

自分がどちらなのかは、毎月の給与明細を見ればその場で判定できます。

控除欄に「雇用保険料」の項目と金額があれば、あなたは雇用保険の被保険者です。

逆に共済掛金だけが並び雇用保険料が0円なら、失業保険ではなく退職手当の側の制度を使います。

私の職場でも、この控除欄の1行を見て自分の立場に気づいた同僚が何人もいました。

判断に迷うときは、人事担当に「自分は雇用保険の被保険者か」と一言確認するのが早いです。

辞める意思を伝える順番そのものに不安がある方は、公務員の退職の伝え方の記事も参考にしてください。

代わりは失業者の退職手当

代わりは失業者の退職手当(公務員 失業保険)

失業保険がない代わりに、公務員には「失業者の退職手当」という別の制度が用意されています。

名前に退職手当と入っているため、いわゆる退職金と同じものだと誤解されがちな制度です。

ここでは制度の中身と、普通の退職金との違いをはっきり切り分けて整理します。

そのうえで、どんな人が対象になるのかという条件面も条文で確認していきましょう。

失業者の退職手当とは

失業者の退職手当というのは、どんなお金のことなんですか?

ナビさん

失業保険の代わりに、退職手当の枠で支給されるお金のことです。

結論、失業者の退職手当とは失業保険の代役として支給されるお金です。

根拠は国家公務員退職手当法第10条で、退職手当の一種として位置づけられています。

雇用保険から出るお金ではなく、あくまで退職手当の枠から出る点が最大の特徴です。

それでも金額の計算には、雇用保険の基本手当という考え方がそのまま使われます。

民間の人が受け取る失業保険と、実質的に同じ水準をそろえるための設計だと言えます。

同法第10条第2項では、一般の退職手当等の支給を受けない場合の扱いも定められています。

その場合は失業している日について、基本手当の日額に相当する額が支給される仕組みです(2026年8月時点)。

また同条第4項には、勤続6月以上で高年齢の区分に当たる人への支給も置かれています。

この場合は高年齢求職者給付金に準じた形で支給される取り扱いになります。

地方公務員については、各自治体が退職手当条例や支給規則で同じ趣旨の制度を定めています。

そのため最終的な根拠は在職する自治体の条例になる点だけは押さえておいてください。

退職金との違いを整理

いつもの退職金とは、まったく別のお金という理解でいいですか?

ナビさん

はい、目的も窓口も支払われる時期もまったく別ものです。

結論、一般の退職手当と失業者の退職手当は目的も窓口も別の制度です。

理由は、前者が勤続への対価であるのに対し、後者は失業中の生活を支えるお金だからです。

一般の退職手当は原則として退職の事実だけで支給され、辞めた後の状況は問われません。

例外は懲戒免職などで、国家公務員退職手当法第12条により全部または一部が支給されない場合があります。

これに対し失業者の退職手当は、実際に失業している状態が続いていることが前提になります。

受け取る窓口も、前者は勤務先の人事や会計、後者はハローワークという違いがあります。

比較項目一般の退職手当失業者の退職手当
目的勤続に対する対価失業中の生活の下支え
支給の条件退職したこと失業が続いていること
手続きの窓口勤務先の人事担当ハローワーク
受け取る時期退職日から1か月以内が原則失業の認定を受けた後
金額の考え方俸給と勤続年数で計算基本手当ベースとの差額
根拠退職手当法3条〜5条ほか退職手当法10条

受け取る時期の根拠は国家公務員退職手当法第2条の3第2項で、退職日から1か月以内と定められています。

ただし死亡による退職など特別の事情がある場合は、この期限の対象から外れます(2026年8月時点)。

表のとおり、名前は似ていても中身はまったく別の性格を持っています。

一般の退職手当がいくらになるかは勤続年数と退職理由で大きく変わります。

相場や計算のしかたは、公務員の退職金はいくら?の記事で詳しくまとめています。

この記事では金額の相場には立ち入らず、失業したときの差額の話に絞って進めます。

支給の条件と勤続期間

何年以上勤めていれば、失業者の退職手当の対象になりますか?

ナビさん

原則は勤続12月以上で、特定退職者なら6月以上が目安です。

結論、支給の入口は勤続期間12月以上という条件です。

根拠は国家公務員退職手当法第10条第1項で、対象となる職員の範囲を定めています。

同項では、特定退職者に当たる場合は6月以上でよいという例外も置かれています。

そのうえで、条文は3つの条件をすべて満たすことを求めています。

1つ目が、いま見た勤続期間の条件です。

2つ目が、一般の退職手当等の額が基本手当ベースの額に満たないことです。

3つ目が、待期日数を超えてなお失業している状態が続いていることです(2026年8月時点)。

ここで言う失業とは、働く意思と能力があるのに職に就けない状態を指します。

そのため、辞めてすぐ次の職場が決まっている人は対象になりません

逆に、辞めてから腰を据えて転職活動をする人にとっては心強い制度になります。

退職後の働き方を先に描いておきたい方は、公務員からの転職先の記事も読んでみてください。

支給額と差額の計算方法

支給額と差額の計算方法(公務員 失業保険)

いくらもらえるのかは、退職手当の額と基本手当ベースの額の大小だけで決まります。

言いかえると、もらった退職金が少ないほど失業者の退職手当は出やすくなる構造です。

ここでは差額が生まれる仕組みと、待期日数という独特の考え方を順番に見ていきます。

仮の数値を置いた試算も用意しましたので、自分の場合に当てはめて眺めてみてください。

差額が出る仕組み

退職金をもらっていても、さらにお金が出ることがあるんですか?

ナビさん

退職金が基本手当ベースの額より少ないときだけ、その差額が出ます。

結論、失業者の退職手当は足りない分を埋めるお金という位置づけです。

理由は、国家公務員退職手当法第10条第1項が差額の支給として制度を組んでいるからです。

まず比べる相手になるのが、基本手当の日額に所定給付日数を掛けた額です。

この記事では、その金額をわかりやすく「基本手当ベースの額」と呼んでいます。

その基本手当の日額のもとになる賃金日額は、失業者の退職手当支給規則第2条が定めています。

退職の月前6か月に支払われた給与の総額を、180で割った額が賃金日額です(2026年8月時点)。

この総額からは、期末勤勉手当のように3か月を超える期間ごとに支払われる給与が除かれます。

臨時に支払われる給与も除かれるため、ボーナスは計算に入らないと考えてください。

受け取った一般の退職手当等の額が、この基本手当ベースの額を上回っていたとします。

その場合は、すでに失業保険を超える金額を受け取っているという整理になります。

したがって、失業者の退職手当は1円も支給されません

逆に下回っていれば、その足りない分が失業者の退職手当として支給されます(2026年8月時点)。

この構造を知らずに「公務員も失業保険の代わりが必ず出る」と考えるとあてが外れます。

退職後の家計を組み直すときは、まず自分の退職手当の見込み額を確認するのが先です。

待期日数の数え方

待期日数の数え方(公務員 失業保険)

待期日数というのは、何日と決まっているものなんですか?

ナビさん

一律ではなく、受け取った退職手当の額から人ごとに計算します。

結論、待期日数は退職手当の額を基本手当の日額で割った日数です。

根拠は同じく国家公務員退職手当法第10条第1項の条文そのものです。

同項には「一未満の端数があるときは、これを切り捨てる」とあり、1日未満は切り捨てになります。

なお名前は似ていますが、雇用保険で最初に置かれる7日間の待期期間とはまったく別のものです。

この日数を超えて失業している状態になって、はじめて支給の対象に入ります。

言いかえると、受け取った退職手当で食いつなげる日数を先に消化するという考え方です。

仮に基本手当の日額を6,000円、所定給付日数を90日と置いて試算してみます。

90日は算定基礎期間が10年未満の区分で、雇用保険法第22条第1項第3号が定める日数です。

差額が出やすいのは勤続の浅い人のため、この記事では10年未満を前提に置いています。

このとき基本手当ベースの額は、6,000円×90日で54万円という計算になります。

項目ケースAケースB
基本手当の日額(仮)6,000円6,000円
所定給付日数(仮)90日90日
基本手当ベースの額54万円54万円
一般の退職手当等の額24万円72万円
待期日数40日120日
支給される日数最大50日0日
支給額の目安最大30万円支給なし

ケースAでは、24万円÷6,000円で待期日数が40日と算出されます。

この40日を超えて失業していれば、残る50日分が支給の対象に入ります。

ケースBの待期日数は、72万円÷6,000円で120日と算出されます。

この120日は所定給付日数の90日を上回るため、支給される日は1日も残りません。

この表の数値はすべて仮に置いたものであり、実額とは異なります(2026年8月時点)。

実際の基本手当の日額は、退職前の給与水準と年齢によって上下します。

自分の給与水準をあらためて確認したい方は、市役所職員の年収の実態の記事が参考になります。

支給日数の上限の決まり

長く勤めた人のほうが、たくさんもらえるということですか?

ナビさん

実はその逆で、長く勤めた人ほど支給されにくい仕組みです。

結論、支給日数の上限は所定給付日数から待期日数を引いた日数です。

根拠は国家公務員退職手当法第10条第1項のただし書に置かれています。

この引き算の結果がゼロ以下なら、失業していても支給される日は残りません。

ここに、勤続年数が長い人ほど手薄になるという制度の性格があらわれています。

勤続が長ければ一般の退職手当の額も大きくなり、待期日数がその分だけ伸びるからです。

反対に、勤続が数年で辞める若手ほど差額が生じやすいという傾向があります。

私の周囲でも、実際に受け取れたのは20代から30代前半で辞めた同僚が中心でした。

10年以上勤めた人からは「計算したら1日も出なかった」という声のほうをよく聞きます。

期待しすぎず、あくまで出たら助かる程度の見込みで家計を組むのが安全です。

地方公務員の所定給付日数や日額の扱いは、在職する自治体の条例と規則で最終確認してください。

受給手続きと必要書類

受給手続きと必要書類(公務員 失業保険)

失業者の退職手当の手続きは、勤務先とハローワークの2か所にまたがって進みます。

退職のときにもらう書類を取りそびれると、その時点で手続きが止まってしまいます。

ここでは書類の受け取りから失業の認定までを、時系列に沿って整理しました。

体調や育児の事情で動けないときに使える、期間の延長制度もあわせて紹介します。

退職時に受け取る書類

辞めるときに、何かもらっておく書類はありますか?

ナビさん

退職票という書類を、人事担当から必ず受け取ってください。

結論、退職のときに欠かせないのが退職票という書類です。

理由は、失業者の退職手当の受給資格を確かめる起点になる書類だからです。

民間企業でいう離職票と同じ役割を、公務員の世界では退職票が担っています。

失業者の退職手当支給規則第3条は、所属庁等の長が退職票を交付しなければならないと定めています。

つまり受給資格がある人への交付は、勤務先側に課された義務という位置づけです(2026年8月時点)。

それでも実務では、本人の申し出を待ってから動く運用になっている職場もあります。

私の職場でも、退職予定者からの依頼を受けて発行する流れが定着していました。

法令上は義務だと知ったうえで、日程が固まった段階で交付を依頼しておくと確実です。

依頼の言い方は「失業者の退職手当を申請したいので退職票をお願いします」で通じます。

一方、勤続期間が12月未満で辞める人には、退職票ではなく在職票が交付されます。

これは同規則第4条が定めた書類で、こちらも交付は勤務先の義務とされています。

1年以内に再び国家公務員になったときは、同規則第15条により新しい所属庁へ提出します。

教育委員会の所属など、人事の窓口が本庁と別になっているケースもあります。

そのときは自分の任命権者がどこかを確認してから依頼してください。

あわせて、本人確認書類と写真、預金通帳も後で必要になります。

ハローワークでの流れ

書類がそろったら、次はどこへ行けばいいのでしょうか?

ナビさん

住所地を管轄するハローワークで、求職の申し込みから始めます。

結論、窓口は住所地を管轄するハローワークです。

理由は、失業しているかどうかの認定をハローワークが行う仕組みだからです。

最初にするのは、退職票を持参したうえでの求職の申し込みです。

次に受給資格の決定を受け、支給の対象になるかどうかが判定されます。

その後は指定された認定日ごとに出向き、失業の認定を受ける流れになります。

認定日には、前回からの求職活動の実績を申告することが求められます。

求人への応募やセミナーの受講などが、この活動実績として扱われます。

認定を受けた分の金額は、原則として公共職業安定所を通じて支給されます。

国家公務員退職手当法第10条第1項が「公共職業安定所を通じて支給する」と定めているからです。

例外は政令で定める職員で、退職の際に所属していた官署や事務所を通じて支給されます。

この例外にあたる人は特例職員と呼ばれ、退職票を所轄の官署等へ提出する流れになります。

勤務先を経由するのは特例職員の場合で、それ以外の人は原則どおりの経路です(2026年8月時点)。

実際の運用や様式は自治体ごとに差があるため、事前に人事担当へ確認しておくと確実です。

受給期間の延長制度

体調を崩していて、すぐには働けない場合はどうなりますか?

ナビさん

申し出れば受け取れる期間を先へ延ばせる、延長の制度があります。

結論、すぐ働けない事情があるときは受給期間の延長を申し出てください。

理由は、失業の認定を受けられない期間がそのまま権利の消滅につながるからです。

対象になるのは、妊娠や出産、育児その他の内閣官房令で定める理由で職に就けない場合です。

その内閣官房令にあたる失業者の退職手当支給規則第7条は、第1号に疾病または負傷を挙げています。

つまり病気やけがで働けない期間も、はっきりと延長の対象に含まれます(2026年8月時点)。

同条第2号では、管轄の公共職業安定所長がやむを得ないと認めるものも対象とされています。

引き続き30日以上職業に就くことができない状態が、申し出の目安になります。

公共職業安定所長に申し出ると、その日数を受給できる期間に加算してもらえます。

ただし加算後の期間には上限があり、通算で4年までとされています(2026年8月時点)。

療養が長引きそうな段階で、早めに窓口へ相談しておくと選択肢が残ります。

在職中に休む制度から確認したい方は、公務員の病気休暇と休職の記事を先に読んでみてください。

手続きの前提として、自分の退職手当がいくらになるかを把握しておくと判断が早くなります。

よくある質問|失業保険

ここまでで拾いきれなかった、個別の事情に関する疑問をまとめて回答します。

会計年度任用職員や自己都合退職など、相談の多いケースを中心に取り上げました。

なぜ公務員だけ失業保険がないのですか?

雇用保険法第6条第6号が、公務員を雇用保険の適用除外と定めているためです。

同号は、離職した場合に他の法令や条例に基づいて支給される諸給与を判断の基準にしています。

その内容が求職者給付および就職促進給付の内容を超えると認められる者が対象です。

つまり、より手厚い退職手当の制度がすでにあるという整理で外されています(2026年8月時点)。

退職金をもらっても失業者の退職手当は出ますか?

受け取った退職金の額しだいで、出る場合と出ない場合に分かれます。

基準になるのは、基本手当の日額に所定給付日数を掛けた基本手当ベースの額です。

一般の退職手当等の額がこれを下回っているときに限り、その差額が支給されます。

上回っている場合は支給されないため、勤続の長い方ほど対象になりにくい傾向があります。

退職金そのものの相場は公務員の退職金はいくら?の記事で確認できます。

会計年度任用職員でも失業保険に入れますか?

加入しているケースがあります。

地方公務員では、雇用保険法施行規則第4条の適用除外が長の申請と承認を受けた職員に及ぶ仕組みです。

会計年度任用職員や臨時的任用職員は、その承認の枠から外れている場合があります。

確実な判定方法は、給与明細の控除欄に雇用保険料の項目があるかを見ることです。

金額が引かれていれば被保険者であり、退職後は通常の失業保険を受け取れます。

自己都合で辞めても失業者の退職手当は出ますか?

自己都合退職であっても、条件を満たせば対象になります。

国家公務員退職手当法第10条第1項は、退職理由そのものを支給の要件にしていません。

問われるのは勤続期間と、退職手当の額と、失業が続いているかどうかの3点です。

ただし自己都合の場合は一般の退職手当の額が下がり、結果として差額が出やすくなります。

細部の取り扱いは在職する自治体の退職手当条例で確認してください(2026年8月時点)。

病気で辞めた場合は傷病手当金と一緒にもらえますか?

同時に両方を受け取ることは想定されていません。

失業者の退職手当は、働く意思と能力があるのに職に就けない状態が前提だからです。

療養中で働けない状態は、この失業の定義に当てはまりません。

その場合は受給期間の延長を申し出て、回復してから受け取る流れが基本になります。

名前の似た制度として、国家公務員退職手当法第10条第10項第3号の傷病手当も置かれています。

退職後にハローワークで求職の申し込みをした後、病気やけがで働けなくなった人が対象です。

申し込みより前から働けないなら延長、申し込みの後に働けなくなったなら傷病手当という整理です。

共済組合の制度そのものは公務員の傷病手当金の記事にまとめています(2026年8月時点)。

民間から公務員に合格した人は失業保険をもらえますか?

民間企業を辞めた時点で雇用保険の被保険者だったなら、失業保険の対象になります。

これから公務員になる予定であることは、被保険者だった過去を打ち消しません。

ただし採用日が決まっている状態は、失業に当たらないと判断される場合があります。

受給できる範囲は個別の事情で変わるため、ハローワークの窓口で確認してください。

まとめ|退職後のお金

公務員に失業保険はありませんが、代わりに失業者の退職手当という制度が置かれています。

ただしこれは誰にでも出るお金ではなく、退職手当が少ない人だけが受け取れる差額です。

まずは自分の退職手当の見込み額を確かめ、そこから逆算して家計を組むのが現実的です。

そのうえで、退職票の交付依頼という最初の一歩を忘れないようにしてください。

この記事のポイント
  • 根拠は雇用保険法6条6号の除外
  • 地方は長の申請と承認が前提
  • 代わりは失業者の退職手当
  • 退職手当が少ない人だけ差額
  • 手続きは退職票の交付依頼から

本記事の内容は、雇用保険法・雇用保険法施行規則・国家公務員退職手当法の条文で確認しました。

一方で、地方公務員の金額や様式は自治体が独自に定めるため、数値は示していません。

制度は改正されるため、最終的な判断は在職する自治体の条例と最新の規則で確かめてください(2026年8月時点)。

お金の見通しが立つと、辞めるかどうかの判断は驚くほど落ち着いてできるようになります。

辞めたい気持ちを整理する段階の方は、公務員を辞めたいと感じたらの記事から読んでみてください。

実際に辞めた人の暮らしを知りたい方には、公務員を辞めてよかった人の話の記事が参考になります。

差額をあてにするより、次の職場を早く決めたほうが家計は安定しやすいのも事実です。

転職エージェントナビは、複数のエージェントをまとめて比較できる無料のサービスです。

在職中でも使えますので、選択肢を知っておくだけという使い方で十分だと思います。

公務員の経験がどんな仕事に活きるのかは、公務員からの転職先の記事でも紹介しています。

この記事を書いた人

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