市役所から県庁への転職は可能?違いと県庁から市役所も解説

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市役所から県庁への転職は可能?違いと県庁から市役所も解説
こんな悩みはありませんか?
  • 市役所から県庁へ移れるか知りたい
  • 県と市の違いを先に知っておきたい
  • 働きながらの準備の進め方に迷う

市役所から県庁へ転職したい、あるいは県庁から市役所へ移りたいと考えて、本当に移れるのか迷っていませんか?

同じ地方公務員でも、県と市では仕事の相手も異動の範囲も変わるため、移ったあとの姿が想像しにくい方は多いでしょう。

結論、市役所から県庁へも、県庁から市役所へも、相手先の採用試験に合格すれば移ることができます。

ただし、人事交流(出向)のような仕組みで移れるのは例外的で、基本は経験者採用などの試験を受け直す形です。

私は民間から市役所へ、その後さらに別の市役所へと、2回の転職を経験した現役の市役所職員です。

県庁での勤務経験はないため、県庁側の仕組みや給料は、総務省の調査や各自治体の公開資料をもとに説明します。

移る方法から県と市の違い、方向別の理由と注意点、働きながらの準備まで、順番に整理しました。

こんな私が書いています
  • 現役の市役所職員
  • 10年超の試験動向を把握
  • 民間からの転職経験あり
  • 予備校の受講経験あり
  • 𝕏 で本音発信中 → @rakutame_com

市役所で働きたい人に現役職員としての知識と転職経験を情報発信しています。

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目次

県庁と市役所の転職は可能?

県庁と市役所の転職は可能?|市役所から県庁への転職

市役所から県庁へも、県庁から市役所へも、移ることはできます。

ただし、今の職場を辞めて相手先に採用される形になり、同じ団体の中の異動のような手続きで移れるわけではありません。

ここでは、移るための道筋と、受ける前に確かめておきたい受験資格を整理します。

なお、市役所どうしの転職は市役所から市役所への転職を解説した記事で詳しく扱っています。

移る方法は採用試験が基本

同じ公務員なら、手続きだけで県庁に移れるのではないですか?

ナビさん

県と市は別の団体なので、相手先の採用試験に合格して採用される形が基本ですよ。

県と市のあいだを移るときは、相手先の採用試験に合格し、今の職場を退職して採用されるのが基本ルートです。

県庁と市役所はそれぞれ独立した地方公共団体で、職員の採用も団体ごとに行われているからです。

受ける枠は、主に職務経験のある人向けの「経験者採用(社会人経験者枠)」と、年齢などの条件を満たせば受けられる「一般枠」の2つに分かれます。

経験者採用は、職務経験を前提に、教養試験の比重を軽くして論文や面接を重視する団体が多い傾向があります。

一般枠は大学卒業程度の教養試験や専門試験が中心で、年齢の上限が比較的低めです。

私も公務員試験は社会人経験枠で受けました。

在職中に受験し、合格が決まってから退職の手続きに進むのが一般的な流れでしょう。

試験の中身は、経験者採用の試験内容をまとめた記事で詳しく解説しています。

県と市のあいだの転職は、まず「受け直すもの」と考えておくと、準備の見通しが立ちやすくなります。

人事交流からの転籍は例外

人事交流で県庁に行けば、そのまま残れることもありますか?

ナビさん

人事交流は期間を決めた研修の仕組みなので、転職の道として当てにしないほうが安心です。

県と市町村のあいだには人事交流や派遣(出向)の制度がありますが、転籍につながるのは例外的と考えておきましょう。

多くの交流は、期間を区切って相手先で働き、終われば元の団体に戻ることを前提にした仕組みだからです。

たとえば青森県の「青森県職員と市町村職員との人事交流に関する規程」は、県と市町村が原則として同じ職種・同じ人数の職員を互いの機関で働かせ、実務を通じて研修を行うと定めています。

交流の期間は1年を超えない範囲とされ、延長する場合も1年を超えない範囲内です。

規程の目的も、県と市町村の相互理解や連携の強化、職員の資質の向上とされており、転籍のための制度としては書かれていません。

出向や派遣で相手先の仕事を知った経験は、志望動機の材料として活かせます。

ただ、移る方法そのものは採用試験だと押さえておくのが安全です。

受験資格は事前に確認

公務員の経験があれば、どこの経験者採用でも受けられますか?

ナビさん

年齢や職務経験の年数、対象外になる条件は団体ごとに違うので、受験案内で必ず確認しましょう。

受けたい県や市が決まったら、まず受験案内の受験資格を細かく読むことが大切です。

年齢の上限や必要な職務経験の年数、職務経験に数える期間の範囲が、団体や試験区分ごとに違うからです。

とくに見落としやすい点として、その団体の現職員を受験の対象外にしている例があります。

たとえば東京都の職員経験者採用選考やキャリア活用採用選考の案内には、申込の時点で東京都職員(会計年度任用職員などを除く)でない人という条件があります(2026年10月時点)。

県と市のあいだで移る場合は通常は当てはまりませんが、人事交流や派遣で相手先に身分がある期間に受けるときは、扱いを確かめておくと安心でしょう。

年齢の上限は公務員試験の年齢制限をまとめた記事で確認できます。

試験の難しさは市役所への転職の難しさを解説した記事も参考になります。

県庁と市役所のどちらが難しいかも、倍率や試験の中身が年度と団体で変わるため、志望先の過去の実施結果で比べるのが確実です。

受験資格を最初に確かめておけば、準備を始めてから受けられないと分かる事態を防げます。

転職前に知る県と市の違い

転職前に知る県と市の違い|市役所から県庁への転職

同じ地方公務員でも、県庁と市役所では仕事の相手や異動の範囲が変わります。

ここでは、移ったあとに何が変わるのかを、仕事・給料・異動の3点で比べます。

受験先を選ぶための一般的な比較ではなく、すでに働いている人が移るときに効いてくる違いに絞りました。

県庁側の記述は、総務省の調査や各自治体の公開資料をもとにしています。

仕事の範囲と住民との距離

県庁と市役所では、仕事の中身はどれくらい違うのですか?

ナビさん

市は住民に直接サービスを届け、県は広い地域の計画や市町村の支援を担う点が大きな違いです。

大まかに言うと、市役所は住民に直接届ける仕事、県庁は広い地域の計画と市町村の支援が中心になります。

地方自治の仕組みでは、住民に身近な事務を市町村が担い、市町村の区域を越える広域の事務や市町村どうしの連絡調整を都道府県が担う役割分担になっているからです。

市役所では、住民票や税、福祉、子育て、ごみの収集など、窓口や地域で住民と直接やりとりする仕事が多くあります。

一方の県庁は、県全体の計画づくりや補助金の制度設計、事業者への許認可、市町村への助言などが中心です。

保健所や土木事務所といった出先機関も県内各地に置かれています。

私の市役所の仕事でも、県から問い合わせや通知、補助金の手続きが来る場面があります。

こうしたやりとりからも、県は制度や予算の枠組みを示し、市はそれを受けて住民に届けるという役割の違いがうかがえるでしょう。

住民の反応を近くで感じたい人は市役所、広い地域の仕組みづくりに関わりたい人は県庁が合いやすいでしょう。

給料はどちらが高いか

県庁のほうが、市役所より給料が高いイメージがありますが本当ですか?

ナビさん

平均では県がわずかに高い程度で、それよりも団体ごとの差のほうが大きいのが実態です。

給料は平均で見ると県がわずかに高い程度で、移る先の団体ごとの差のほうが大きいと考えるのが現実的です。

総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」によると、大学卒の一般行政職の初任給の平均額は、都道府県が22万5,694円、市が22万2,738円でした(令和7年4月1日現在)。

差は約3,000円で、初任給の段階では大きな開きはありません。

国家公務員を100とした給与水準のラスパイレス指数も、都道府県の平均が99.7、市の平均が98.7、指定都市の平均が99.8と、1ポイント前後の差にとどまります。

これに対して都道府県どうしで比べると、最も高い団体の101.8から最も低い団体の96.8まで、5ポイントの開きがありました(いずれも総務省・令和7年4月1日現在)。

さらに、勤務地によって支給の割合が変わる地域手当でも、同じ等級の毎月の支給額に差が出ます。

地域手当の仕組みは地域手当の違いを解説した記事、市ごとの年収は市役所の年収ランキングで確かめられます。

中途採用の場合は、前の職場での経験年数を換算して初任給を決める前歴換算という仕組みが使われるのが一般的です。

私が民間から市役所へ転職したときも、前職の在職年数を換算して初任の給料が決まりました。

市役所から別の市役所へ移ったときは、前の市役所での職歴が100%の割合で加算されています。

換算の割合は移る先の団体の規則で決まるため、県と市のどちらへ移る場合も、受験前に確認しておくと安心です。

換算の考え方は中途採用の初任給の決まり方を解説した記事で詳しく紹介しています。

「県だから高い」と決めつけず、志望先の給与水準と自分の換算後の給料で比べることが大切でしょう。

異動と転勤の範囲

県庁に移ると、引っ越しを伴う異動もあるのでしょうか?

ナビさん

県は県内各地に出先機関があるので、通勤できない地域への異動で引っ越しが必要になることもあります。

異動の範囲は、市役所は原則として市内、県庁は県内全域と考えると分かりやすいです。

県は本庁のほかに、地域ごとの事務所や県税事務所、保健所、土木事務所などの出先機関を県内各地に置いているからです。

面積の広い県では、自宅から通えない出先機関への異動で、単身赴任や引っ越しを選ぶ職員もいます。

市役所の異動は本庁舎や支所、市の施設のあいだが中心で、多くの場合は住まいを変えずに通えます。

ただし市役所でも、県や国への派遣、広域の組合への出向などで、一時的に市の外で働くこともある点には注意が必要です。

子育てや介護で住む場所を変えにくい人ほど、この違いは移る前に重く見ておきたいところです。

国・県・市の転勤の比較は、県庁と市役所の転勤の違いを比べた記事で詳しくまとめています。

ここまでの違いを、転職する人の目線で表にまとめました。

項目県庁市役所
主な仕事の相手市町村・事業者・関係団体住民
仕事の範囲県全体の計画・許認可・市町村の支援窓口・福祉・税など住民サービス
異動の範囲県内全域の出先機関(引っ越しを伴うことも)原則として市内
初任給(大卒・一般行政職の平均)22万5,694円22万2,738円
給与水準(ラスパイレス指数の平均)99.798.7(指定都市は99.8)
採用試験の主な枠一般枠・経験者採用一般枠・経験者採用(社会人経験者枠)
向いている人広い地域の仕組みづくりに関わりたい人住民の反応を近くで感じたい人

※出典:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」「令和7年地方公務員給与実態調査結果等の概要」(いずれも令和7年4月1日現在)。

※団体ごとに差が大きいため、表は目安として使い、志望先の公表資料で確かめてください(2026年10月時点)。

方向別の転職理由と注意点

方向別の転職理由と注意点|市役所から県庁への転職

同じ「県と市のあいだの転職」でも、市役所から県庁へ移る人と、県庁から市役所へ移る人では理由が逆になります。

ここでは、転職体験談などでよく語られる理由と、移ったあとに後悔しやすい点を方向ごとに整理しました。

私には県庁での勤務経験がないため、県庁側の事情は公開されている情報と一般的な傾向として紹介します。

自分がどちらの理由に近いかを考えながら読んでみてください。

市役所から県庁へ移る理由

市役所から県庁へ移る人は、どんな理由で決めているのですか?

ナビさん

広い地域の政策に関わりたい、新卒のときに目指した県庁に再挑戦したい、という理由がよく挙げられます。

市役所から県庁へ移る理由で多いのは、広い地域の政策に関わりたいという思いです。

市役所で働くなかで、1つの市だけでは解決しにくい課題に気づくことがあるからです。

たとえば交通や医療、産業の振興のように、市の境を越えて考える必要がある分野では、県が計画や予算の枠組みを持っています。

新卒のときに県庁を志望していて、社会人として経験を積んだうえで再挑戦するケースも見られます。

保健や土木、農林などの専門分野を、県のより大きな事業の中で深めたいという理由もあるでしょう。

反対に、今の職場の人間関係がつらいといった理由だけで移ると、県庁でも同じ悩みにぶつかるおそれがあります。

市役所から県庁へ移るなら、「広い地域で何をしたいか」を自分の言葉で説明できるかが判断の目安になります。

県庁から市役所へ移る理由

県庁から市役所へ移る人は、なぜ市を選ぶのでしょうか?

ナビさん

転居を伴う異動を避けたい、住民に近い仕事がしたい、地元に戻りたいといった理由が目立ちます。

県庁から市役所へ移る理由として目立つのは、転居を伴う異動を避けたいという事情です。

県は県内全域に出先機関があるため、結婚や子育て、親の介護などで住む場所を固めたい時期に、異動の範囲が負担になりやすいからです。

市役所なら異動は原則として市内なので、生活の拠点を決めて長く働く見通しが立てやすくなります。

住民に近い仕事がしたい、という理由もよく挙げられます。

県の仕事は市町村や事業者を通じて施策を届ける形が多く、住民の顔が見えにくいと感じる人もいるようです。

さらに、地元に戻って地域のために働きたいというUターンの動機から、出身地の市役所を受ける人もいます。

県庁から市役所へ移るなら、「なぜ県ではなく市なのか」を、生活の事情だけでなく仕事の面からも語れるようにしておきましょう。

移ってから後悔しやすい点

県と市のあいだで移ったあとに、後悔することはあるのでしょうか?

ナビさん

仕事の相手や異動の範囲が変わるので、想像していた働き方とのズレで後悔する人もいます。

後悔の多くは、移る前の想像と実際のズレから生まれます。

同じ公務員でも、県と市では仕事の相手や異動の範囲が違い、その差を軽く見ていると移ってから戸惑うからです。

市役所から県庁へ移った場合は、住民の反応が見えにくくなったことや、引っ越しを伴う異動に戸惑うことがあります。

県庁から市役所へ移った場合は、窓口や電話での住民対応の多さに驚いたり、扱う仕事の範囲が狭くなったと感じたりすることがあるでしょう。

また、移る先の給与水準や前歴換算の結果によっては、移ったあとに給料が下がることもあります。

移る前に、相手先の働き方や異動の範囲、換算後の給料の見込みを確かめておけば、こうしたズレは小さくできます。

市役所へ移ってからの後悔は、市役所への転職で後悔するケースをまとめた記事も参考にしてください。

方向ごとの違いを、表で並べて比べてみましょう。

項目市役所→県庁県庁→市役所
よくある理由広い地域の政策に関わりたい・県庁への再挑戦転居を伴う異動を避けたい・住民に近い仕事・Uターン
志望動機の軸市の仕事で見えた広域の課題県の仕事で感じた住民に近い現場の大切さ
面接で問われやすい点なぜ市ではなく県なのかなぜ県ではなく市なのか
移ったあとの注意点住民の反応が見えにくい・転居を伴う異動住民対応の多さ・仕事の範囲が狭く感じる
確認しておくこと異動の範囲・出先機関の場所・換算後の給料給与水準・前歴換算の割合・配属の傾向

※一般的な傾向をまとめたもので、実際の扱いは団体によって異なります(2026年10月時点)。

働きながら受ける準備

働きながら受ける準備|市役所から県庁への転職

県と市のあいだの転職は、ほとんどの人が今の職場で働きながら準備します。

ここでは、面接で聞かれやすい志望動機の組み立て方、勉強の進め方、そして退職金などの手続きをまとめました。

私自身が市役所から別の市役所へ移ったときの準備も、方向は違いますが参考として紹介します。

時間が限られる在職中だからこそ、やることを絞って進めていきましょう。

志望動機は「なぜ県か・市か」

志望動機は、今の職場への不満を正直に話してもいいのでしょうか?

ナビさん

不満から入るより、今の仕事で見えたことを軸に「なぜ移る先なのか」を語るほうが伝わりやすくなりますよ。

志望動機の中心は、「なぜ県か・なぜ市か」を今の仕事の経験から説明することです。

県と市はどちらも地方公務員なので、「地域に貢献したい」だけでは、今の職場に残らない理由が伝わらないからです。

市役所から県庁へ移るなら、市の仕事で見えた広い地域の課題と、県だからこそ取り組める方法を結びつける形が考えやすいでしょう。

県庁から市役所へ移るなら、県の仕事を通じて感じた住民に近い現場の大切さと、その市で取り組みたいことをつなげる形になります。

今の職場の悪口に聞こえる言い方は避け、前向きな理由として話すのが基本です。

私が転職で面接を受けたときは、手応えを感じることができました。

志望動機の例文の型は、市役所どうしの転職の志望動機でも紹介しています。

「なぜ移る先なのか」を今の仕事の言葉で語れれば、県と市のどちらへ移る場合も説得力のある志望動機になります。

独学で進めるコツ

働きながらでも、予備校に通わず独学で合格できるものですか?

ナビさん

試験の中身を絞り込めれば独学でも進められますが、論文と面接は人に見てもらう機会を作ると安心ですよ。

働きながらの準備では、受ける試験の中身を最初に絞ることが一番のコツです。

経験者採用は団体によって、教養試験、適性検査、論文、面接の組み合わせが大きく違い、全部を同じように対策する時間はないからです。

私は市役所から別の市役所へ移った2回目の転職では、予備校を使わずに完全独学で合格しました。

一方、民間から市役所へ移った1回目の転職では、独学で始めて途中から予備校のLECも併用しています。

県庁の経験者採用でも、教養試験や論文、面接を組み合わせる例が見られるため、志望する県の受験案内で科目を確かめてから教材を選んでください(2026年10月時点)。

県庁と市役所の両方を受けるなら、試験日が重ならないかを先に確かめておくと、併願の計画が立てやすくなります。

日程と併願の組み方は公務員試験の日程と併願の記事、教材は独学向けのテキストを紹介した記事が役立ちます。

試験の中身を絞って限られた時間を集中させれば、独学でも準備は進められるでしょう。

退職金と共済の引き継ぎ

県と市のあいだで移ると、退職金はリセットされてしまうのですか?

ナビさん

条例の条件を満たして引き続いて採用されれば、勤続年数が通算される仕組みが一般的ですよ。

退職金は、退職手当を受け取らずに引き続いて採用される場合、勤続年数が通算される仕組みを設けている自治体が一般的と言えます(2026年10月時点)。

多くの自治体の退職手当条例に、ほかの地方公共団体の職員から引き続いて採用された場合の在職期間の扱いが定められているからです。

ただし、条件の書き方は条例によって異なります。

たとえば大阪府の条例(職員の退職手当に関する条例 第7条第5項)は、ほかの地方公務員が「任命権者が定める事由により」引き続いて職員となった場合に、前の在職期間を含めると定めています。

同じ条文には、前の勤務先で退職手当に相当する給与を受け取っていると、その計算に使った期間は含めないという定めもあるので注意しましょう。

私も市役所から別の市役所へ移ったときは、退職金などが引き継がれました。

年金は、2015年10月から公務員も厚生年金に加入する仕組みに変わったため、移っても加入期間はつながります。

都道府県の職員の多くは地方職員共済組合、市の職員の多くは市町村職員共済組合に加入しており、移ると加入先が変わる点は知っておきましょう。

通算の条件は、今の勤務先と移る先の両方の条例で、退職日と採用日の扱いも含めて確かめておくのが確実です。

退職金の基本は公務員の退職金の相場をまとめた記事で解説しています。

働きながら教養試験や論文、面接を短い期間でそろえたい方は、通信講座を使うのも1つの方法です。

講座の特徴や費用はクレアールの評判を解説した記事でまとめています。

よくある質問

よくある質問|市役所から県庁への転職

最後に、県庁と市役所のあいだの転職について、検索で一緒に調べられている質問に答えます。

給料や働きやすさ、今の職場に知られないかといった、移る前に気になりやすい疑問を中心に取り上げました。

ここで扱う5つの質問は、どれも受験を決める前に確かめておきたいものです。

詳しい内容は本文の各見出しや関連記事でも解説しているので、あわせて確認してみてください。

県庁と市役所ではどちらの給料が高いですか?

平均では、県がわずかに高い程度です。

大学卒の一般行政職の初任給の平均は、都道府県が22万5,694円、市が22万2,738円でした(総務省・令和7年4月1日現在)。

地域手当などで団体ごとの差のほうが大きいため、移る先の給与水準で比べてください。

県庁と市役所、どっちが楽ですか?

どちらが楽かは、団体よりも配属される部署によって変わります。

県は転居を伴う異動の可能性があり、市は住民対応の多い部署があるなど、負担の種類が違う点がポイントです。

市役所の部署ごとの忙しさは市役所の忙しい部署をまとめた記事で紹介しています。

公務員から公務員に転職すると、今の職場にバレますか?

多くの場合、受験しただけで今の職場に自動で伝わる仕組みはありません。

ただし、合格後には退職の申し出や引き継ぎが必要になります。

在職中の進め方は在職中に知られずに転職を進める方法で詳しく解説しています。

人事交流(出向)で県庁や市役所に移れますか?

人事交流や派遣は、期間が終われば元の団体に戻ることを前提にした仕組みです。

たとえば青森県の規程では、交流の期間は1年を超えない範囲(延長も1年以内)とされています。

移りたい場合は、相手先の採用試験を受けるのが基本です。

何歳まで県庁や市役所に転職できますか?

経験者採用の年齢の上限は団体ごとに違います。

たとえば東京都のキャリア活用採用選考(令和7年度)は、令和8年4月1日時点で62歳未満の人を対象にしていました。

一般枠は上限が低めのことが多いため、公務員試験の年齢制限をまとめた記事で確認してください。

まとめ|広さか近さかで選ぶ

まとめ|広さか近さかで選ぶ|市役所から県庁への転職

ここまでの内容を、移る方向を決めるための形で整理します。

結論、市役所から県庁へも県庁から市役所へも、採用試験を受け直すことで移れます。

選ぶ軸は、広い地域の仕組みづくりに関わりたいなら県、住民の近くで働きたいなら市という「広さか近さか」です。

給料は平均で大差がなく、団体ごとの差のほうが大きいため、移る先の給与水準で比べましょう。

退職金は条例の条件を満たせば通算されるのが一般的ですが、条件は団体によって違うので必ず確かめてください。

この記事のポイント
  • 県と市の転職は採用試験の受け直しが基本
  • 人事交流からの転籍は例外と考える
  • 違いは仕事の相手・異動の範囲・給料の3点
  • 志望動機は「なぜ県か・市か」を今の仕事から語る
  • 退職金は条例で通算されるのが一般的(要確認)

在職中の限られた時間で、教養・論文・面接をまとめて準備したい方は、講座の内容を一度確かめておくと安心です。

今の仕事で積み重ねてきた経験は、県でも市でも、移った先の仕事に活きてきます。

この記事を書いた人

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